2026/02/16〜02/28

2月16日(月)
個人事業主の届けを出してから、平日は確定申告の開始日が誕生日であることに気づいた。
とうとう40歳である。
あまり誕生日という物を特別に思わずにきて、歳をとるほど加速しているのだが、大きな節目だなと感じる。
ここを折返しとしたら80歳まで生きるのだけど、今人生の何章目なのか、そもそも私の人生という本が何章で編まれているのかもわからないので、まだまだこれから山も谷も歩いていくのだ、という気持ち。

2月18日(水)
何年振りかわからない六本木。
30歳をまたぐ数年を乃木坂で過ごした。

そういえば六本木は本屋がほとんどない。
青山ブックセンターも潰れて文喫になってしまった。
やはり地価が高いのだろうか、など風情のないことを考える。

2月19日(木)
店のオープンまでの計画を立てる。
色々と準備を進めているのだが、自力ではどうにもならないことがいくつかあり、進捗が悪い。
3月の3連休をプレオープンと考えていたけれど、4月4日と仮置きした。

縁起をかつごうかと調べてみたけれど、ちょうどよい日付がなかったので、ゾロ目はわかりやすいし、ちょうど土曜日だからいいのでは、という単純なアイデアである。

二十四節気に因むのも一案としてあり、4月5日は清明である。
「春の日のもと、万物が生き生きとしている様」というのは店をはじめるのによいのではないか。

2月20日(金)
明日からの3連休は関西だ。
店の内装について検討する。
私の気持ちとしては工事(DIY)をゴリゴリ進めるつもりだったのだが、設計者によればとても無理、モックで終わりとのこと。

せっかくスケジュールを組み立てたのだが、雲行きは怪しい。

2月21日(土)
予定通り早朝に関西へ到着。
しばらく休憩してからホームセンターへ。

早々に計画の甘さが露呈し、使おうと思っていた機材が完全予約制と判明。
結果的に諸々時間がかかりすぎてうまく当日利用でき、目的は果たせたのだが店に行って検証することはできなかった。

1万6千円のインパクトドライバーをはじめ、実験用の工具や木材を購入したものの、DIYは無理ではということを設計者が匂わせてきた。
前途多難。

2月22日(日)
店舗でモックアップを作るのが今日のミッション。
すでに計画の遅延は明白である。

ランチにスパイスカレーを食べることが決まっていた。
大阪のランチでは高確率でスパイスカレー。発祥の地と言われるだけあり、店の数も個性も突き抜けている。
今回は難波にほどちかいスパイスカリー「て」へ。店名が「て」である。

料理と文章を書くことは似ているなと思うことがある。
特に韓国の料理バトルドキュメンタリー『白と黒のスプーン』を観てからより感じることだ。

料理も、文章を書くことも、極論誰でもできることだ。
でも「より良いものを届ける」「自分の頭の中を形にする」ためには地道な努力が不可欠だ。
残酷なほどにセンス、感性も影響する。
受け取る側の好みに評価が左右されるのも同じ。

誰でもできるから、過小評価されることもあるし、競争も激しい。かけた時間に対して、金銭的・社会的評価が返ってくるかといえばそうでもない。
どちらも、ライスワークにもライフワークにもできる。

料理の中でも、スパイスカレーは店主の思想が色濃く出ている気がする。
思いと、情熱、研究の成果が一皿に盛られ、それを混ぜながらいただく。

モックアップはうまくいったが、すべてDIYは諦め、工務店へ依頼をすることに決まる。
4月4日のプレオープンはますます怪しい雲行きである。

2月25日(水)
東京は雨である。
ずいぶん久しぶりだなと思っていたら、どうやら11月以来ぐらいのまとまった雨らしい。
棚主をしている蔵前の透明書店で本の補充。
コツコツ売れている。棚代にもならないけれど。
中身のわからないブラインドブックスの売上が絶好調なのをみると、真似しようかなと頭を掠めるが、売上を立てたいわけではないだろうと打ち消すのを繰り返している。
試し読みして、手元のスマホで調べて内容がわかりきったものよりも、何が出るかわからないガチャの方が期待値が高いのは複雑な気分だ。
でも選書サービスも人気であるし、「選べない」課題の方が大きいのかもしれない。
もやもや考え続けている。

ZINEフェス横浜で買えなかったZINEを3冊受け取る。
丁寧なお手紙つき。
通販体制のないなかで無理を言って買わせてもらったのだが、励みになると書いてありこちらも嬉しい。
書くこと、本づくりは孤独な作業だなと思うので、気持ちが萎まないように応援する役割ができればなと感じている。
財力のないパトロンである。

2月27日(金)
神保町へ。
東京堂書店で『書店員の怒りと悲しみと少しの愛』(knott books)を購入。写真より可愛らしい朱色、目を引く装丁。

Passage、SOLIDAをぐるっと見て回る。
SOLIDAでは1月のZINE&BOOKフェスIN神保町延長戦のコーナーができていて、ZINEが平台に並んでいた。
いくつか気になったものを購入。

エッセイの書かれたカードにコーヒー豆が張り付いているZINEは個性的だが、ZINEの流通への脆さに思いを馳せてしまう。
即売会で買う、一点ものとして考えれば魅力的でも、商業出版の流通にそぐわないZINEが多いのは事実だ。

MISOMEでも繊細なZINEを扱っていきたいが、破損のリスクという現実的な問題と向き合わなくてはいけない。

2月28日(土)
爽やかな土曜日。
とうとう花粉症になったことを認める40歳の春。

前へ
前へ

2026/03/01〜03/15

次へ
次へ

2026/02/01〜02/15